こんにちは、元カフェ経営者の福井(@aomorio)です。
利益が出ているのにお店が潰れることがあります。
飲食店に限りませんが、黒字倒産というものです。
ここで鍵になるのがキャッシュフローです。
・キャッシュ=お金
・フロー=流れ
つまり、お金の流れを把握することが大事だということです。
飲食店を経営する上で、落とし穴になります。
飲食店を開業するほとんどの人は、『いかに利益を出すか』はしっかりと考えます。
繰り返しになりますが、利益が出ているだけでは潰れる可能性があるんです。


今回の記事では、利益が出ていてもなぜ店は潰れるのか、なぜキャッシュフローが大事なのかを解説していきたいと思います。
ブログ運営者

キャッシュフローとは?
最初に説明した通り、
・キャッシュ=お金
・フロー=流れ
『キャッシュフロー=お金の流れ』であることはご理解いただいてると思います。
もっと具体的に言えば、
毎月お金がいくら入ってきて、いくら出ていくのか
ということです。
キャッシュフローがプラスであれば続けられる。マイナスであれば潰れる。
それでは、飲食店のキャッシュフローについて考えてみます。
『入ってくるお金』>『出ていくお金』
『入ってくるお金』よりも『出ていくお金』が少なければお店は継続できます。
家庭で例えるなら、今月は出費が少なくて貯金できるイメージです。
この状態がキャッシュフローがプラスです。
『入ってくるお金』<『出ていくお金』
逆に、
『入ってくるお金』よりも『出ていくお金』が多ければお店は潰れます。
家庭で例えるなら、給料よりも出費が多くて貯金を切り崩すイメージです。
この状態がキャッシュフローがマイナスです。
貯金があるうちはいいですが、そのうち貯金も底を尽きて、ついには倒産することになります。
飲食店の利益は全て手元に残るわけではない
キャッシュフローがマイナスになればお店が存続できないことをご理解頂いた上で本題に入ります。
なぜ利益が出ていてもなぜ店は潰れるのか。
なぜキャッシュフローが大事なのか。
一言で言えば、
飲食店の利益が全て手元に残るわけではないから
です。



利益とは『売上 ー 経費』
まずは下図をご覧ください。

これは月商100万円の飲食店を想定した『売上と経費のシミュレーション』です。
売上(緑色)から経費(白色)を差し引くと、利益(黄色)が10万円残る計算です。
売上100万円 ー 経費90万円 = 利益10万円



銀行借入の返済が盲点になる
飲食店を開業する時、ほとんどの人が銀行から借入をしてお店を始めます。
借入をするということは、当然ですが、お金を返さなければいけません。
この借入の返済が盲点になります。



もう一回さきほどの図を見てください。

どこにも『借入の返済』が出てきません。

手元に残るお金は『利益 ー 借入の返済 』
何を言ってるかご理解いただけますでしょうか。
繰り返しますが、会計上、銀行の返済は経費にはなりません。
下記のサイトでも解説しています。
事業用の借入金でも経費にはできない
https://vision-bizmarket.com/media/knowledge/zeimu00124/
経費にできるのは利息部分のみ
https://vision-bizmarket.com/media/knowledge/zeimu00124/
私自身、会計知識がないままに飲食店を始めため、実際に飲食店を経営していて気付きました。
要するに、
利益 ー 借入の返済 = 手元に残るお金
ということです。

利益よりも借入の返済が多かったらヤバい!!
最初に『キャッシュフローがマイナスになるとお店が潰れる』ということを解説しました。
利益よりも借入の返済が多い
↓
キャッシュフローはマイナス
↓
貯金を切り崩しながらジワジワとお金が減っていく
↓
貯金が尽きてお店は閉店
という事になりかねません!

※厳密は減価償却も考えなければいけないし、税金のことも考えなければいけないが、この記事ではキャッシュフローの重要性を説くことなので割愛します。
キャッシュフローを考えた経営計画を立てよう!
利益が出ていてもお店が潰れるということ、
キャシュフローが大事だということ、
十分にご理解いただけたと思います。
とは言え、具体的にどう考えたらいいかわからない方もいると思います。
例として、以下にキャシュフローを考えた経営計画の立て方を簡単にまとめてみました。
借入金額から返済のシミュレーションする
キャッシュフローがマイナスになる要因は、銀行からの借入であることは説明した通りです。
つまり、毎月いくら返済しなければいけないのか算出する必要があります。
ローンの計算はこのサイトがオススメです。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1256183644
仮に、1,000万円を金利1.5%で借りるとします。
※飲食店を開業する際に1,000万円の借入をするのは割りと一般的です。
- 5年返済・・・毎月の返済額 173,098円
- 7年返済・・・毎月の返済額 125,481円
- 10年返済・・・毎月の返済額 89,791円
1,000万円借りてしまうと、毎月これだけの金額を返済しなければいけないことがわかりました。
今回の例で言うと、売上100万円、利益10万円の飲食店を経営する想定でした。
5年返済、7年返済で計画した時点で、キャッシュフローがマイナスになることが確定しています。
飲食店を続けていくためには10年返済にしなければいけないということがわかりました。
キャッシュフローがキツかったら計画を練り直す
10年返済で計画することも良いかもしれませんが、現実的に考えると、
利益 100,000円 ー 返済 89,791円 = 手元に残るお金 10,209円
毎月たったの10,209円しか残らないのであれば、一般的な経営判断ではやるべきではありません。
たったの10,209円しか余力がなければ、少しでも売上が下がったり、他の経費が増えたりしたらキャッシュフローはすぐにマイナスに陥ります。
そうであれば、例えば、
- 借入を減らして開業することはできないか
- 売上100万円以上にすることはできないか
- 経費をもっと削れないか
など、売上と経費の計画を練り直すことが必要です。


オススメの本
利益が出てもお店が潰れる可能性があること、キャッシュフローが大事であること(特に銀行の返済!)をご理解いただけたと思います。
最後に、オススメの書籍をご紹介したいと思います。
脱・どんぶり勘定! これからの飲食店 数字の教科書
とにかく色んな飲食店経営者に薦めている本です。
資金的にも、人的にも余裕があるチェーン店などで参考となるノウハウが書かれている本ですが、私は小規模な店こそ、そのような視点をもって経営すべきと考えています。
「小規模だから自転車操業でも仕方ない」に甘んじるべきではないと思います。
そのためにも参考になる本です。
社長! 「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ!
飲食店を経営する上で、経理を知ることは必要不可欠です。
「経理って何?おいしいの?」
「数字苦手・・・。」
そんな経営者こそ必読です。これを読めば経理の概要を理解することができます。
真剣に飲食店の経営に向き合うのであれば、ぜひこの2冊は読んでください。
最後に。本当に資金繰りに困ったら。
今現在、飲食店を経営していてキャッシュフローが厳しいという方は、
- 銀行に相談する(返済据え置き、追加融資)
- フリーローンを利用する
- 個人の資産を売る
中でも、フリーローンが資金調達まで一番早く、早期に資金繰りを改善してくれます(私も飲食店を立ち上げた当初、資金繰りが苦しくて使ったことがあります)。
ひとまずの資金があれば体制を立て直すことも可能でしょう。
ただし、銀行から借りるよりも利率が高い場合が多いので、まさに「ご利用は計画的に」です。
ブログ運営者

コメント