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現役カフェ経営者が『個人カフェを経営する魅力とリスク』を解説します

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こんにちは、福井(@aomorio)です。

現在、現役でカフェを経営しています。そんな話をすると「カフェって楽しそう〜!」とか「カフェは儲からないでしょ?」と言われたりします。

人によってカフェ経営の着眼点やイメージが違ってるのでおもしろいと思う一方で、中の人としては「断片的すぎるな〜」と思うところもあります。

今回の記事では、現役カフェ経営者の私が考える『個人カフェを経営する魅力とリスク』について解説したいと思います。

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目次

カフェ経営の現実

大手チェーン店の勢力が増し、個人店が淘汰されている

まずは統計データを見ていただきたいと思います。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング社の調査によると、喫茶店・カフェの店舗数は右肩下がりで減少しています。

出典:https://www.murc.jp/uploads/2012/08/cmc_mc_1711_1.pdf

しかし、よく見ると法人は横ばいで、個人店が減少していることがわかります。

言い換えれば、年々、スタバやドトールなどの大手チェーン店が勢力を増して、個人店が淘汰される時代になっているということです。

店が閉店する理由は様々な事情があり多岐にわたりますが、時代の背景として個人カフェ(小規模カフェ)が厳しい状況に置かれていることは認識しておくべきでしょう。

個人カフェを経営するリスク

個人カフェも立派なビジネスです。ビジネスにはリスクが付き物。

まずは個人カフェを経営するリスクをしっかり認識しておきましょう!

多額の初期投資が必要

居抜きで、内装も簡易で、とりあえずカフェという体裁で開業するとしても最低で300万円はかかります。一般的な飲食店であれば最低でも500万円はかかると言われています。

内装もこだわり、厨房設備もしっかり揃えるなら1500万円程度は見ておいた方がいいでしょう。

銀行融資で開業した場合、万が一、経営が立ち行かなくなったら多額の借金を背負うリスクがあります。

開業費用については下記のブログも参考にしてみてください。

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売上に限度がある

立地、店舗面積、客席、営業日数、厨房の生産能力、繁忙時間帯など、カフェは様々な条件によって売上に上限があります。

最初にしっかりと計画をしなければ、自分が生活するための報酬を得られないだけではなく、銀行の返済もできず、家賃も払えず、早々に閉店することになりかねません。

利益に限度がある

カフェ(飲食店)は売上だけではなく利益にも限度があります。良いところで利益率10%です。100万円売っても10万円しか手元に残りません。

仮に、銀行融資で借りた1000万円を5年で返済する計画であれば、年間200万円、月々約17万円の返済です。税金も引かれることを考えれば毎月売上300万円、利益30万円を出せるカフェにしなければなりません。

売上が下がる可能性がある

これからの日本は少子高齢化が進み、人口が減少していきます。客数を稼がなければいけないカフェビジネスは、人口減少は売上の減少に直結します。他店と差別化、高利益体質な経営が求められます。

また、外食産業の市場規模は縮小にあるにも関わらず、新規の開業は増大傾向です。若い世代の独立志向も高まり、カフェの競争激化が進むでしょう。

近所に競合店ができて売上が一気に半減することは日常茶飯事。食材リスクも高く(かつての狂牛病のうように)、お客さんが突然ゼロになる可能性もありえます。

労働集約型のビジネス

長時間労働、立ち仕事、休日がない、機械化が難しいなど、カフェは多くの部分に「人の労力」と「人の手」がかかるビジネスです。

体力のある若いうちはいいとしても、年をとるにつれて肉体的に仕事が厳しくなってきます。特に個人で経営しているカフェならオーナーが何とかしなければいけませんので、なおさら肉体に負担がかかります。

土日祝、大型連休は休みにくい

売上は土日の方が高くなるので、自分の収入を考えると土日や大型連休は営業せざるを得なくなります。

家族の理解を得られればいいのですが、子どもの行事など参加が難しくなることもあります。

成功率が低い

東京商工リサーチの調べでは、2019年1〜8月の「喫茶店」倒産は42件、過去20年で3番目の高水準を記録したとのこと。また1年以内に閉店するカフェ・喫茶店は50%を超えるという調査データもあるようです。

それだけカフェは成功率が低いということです。

2019年(1-8月)「喫茶店」の倒産状況
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190913_01.html(外部リンク)

個人カフェを経営する魅力・メリット

個人カフェの経営はリスクもありますが、一方で魅力も溢れています。

ここからは実際にカフェを経営しみて感じた『個人カフェを経営する魅力』をご紹介します。

「好き」に囲まれて仕事ができる

好きなインテリア、好きなコーヒー、こだわりの調理器具、こだわりのエプロン、、、さまざまな「好き」に囲まれて仕事ができるのは、自分のカフェだから実現できるものです。

人脈が増える

カフェ経営を通じてさまざまな人と出会うことができます。

お客さんと交流することで新たなコミュニティに参加できるようになったり、取引先と関係を作ったり、飲食店経営者同士で交流する機会もあります。

自分の意思や行動次第で、無限に人脈を増やすことができます。

カフェの利用ニーズは多い

人は食べなければ生きていけません。なので飲食店がなくなることはありませんが、食べるだけなら弁当屋、コンビニなど競合が多くいます。

一方で、カフェは打ち合わせをする場として利用されたり、勉強、読書など、様々な用途で利用されます。他の業態に比べてお客さんの利用ニーズが多いのも魅力的です。

採用に困らない

飲食店の労務環境が問題になっているとは言え、いまだにカフェスタッフは女性に人気の職業です。採用には困らないでしょう。

自分の目の前で商品が消費される醍醐味

こだわりの料理、ドリンクを目の前でお客さんが食べて、飲んで、喜んでくれる様子を見ることができることこそ、カフェを経営する最大の楽しみです。

一国一城の主になれる

自らの力で事業を立ち上げる醍醐味は、独立してカフェを開業した人にしか味わえないものです。会社員として新店舗を立ち上げるそれとは比べ物になりません。

売上と利益を上げれば自分の報酬を高くできる

低賃金と言われる飲食業界ですが、独立して売上・利益を上げることができれば自分の報酬が高くできます。

大手チェーン店と勝負ができる

大手チェーン店に淘汰される時代だと言いながらも、大手と勝負できるのも個人カフェの魅力です。個人カフェは独自性を打ち出しやすく、ブランド力や知名度、規模、組織力がなくても大手と勝負ができます。スタバじゃなくて個人カフェを選ぶ人も多いはずです。

現金商売で資金繰りが楽

ビジネス寄りの話をすると、カフェに限らず、どの飲食店にも言えることですが、現金商売であることはビジネスをする上で魅力があります。

世の中の多くのビジネスでは、商品は渡したが代金を払ってもらえないことが多々あります。多々です。

その点、カフェはその場で代金を支払いますし、売掛金と言ってもクレジットカードやキャッシュレス決済なので現金を回収できないことは稀です。

また、常に現金が手元に入ってくるので資金繰りが非常に楽です。

まとめ

憧れだけで続けられるほどカフェの経営は甘くはありません。

どんなビジネスであっても独立開業すれば必ずリスクはあります。だからこそ、やりがい、魅力、メリットもたくさんあるわけです。

『リスクを背負ってでも本当にカフェを開業したいか?』

私がカフェを経営しているからこそ言いますが、今一度、自分の胸に手を当てて聞いてみてほしいと思います。

それでもやりたいと思えるなら、カフェ開業に向けて一歩ずつ進めていきましょう。応援します。

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この記事を書いた人

1987年生まれ、青森県出身。
新潟大学経済学部卒業後、外資系IT企業にてSEを経験。その後、コンサルティング会社を経て、2014年に地元青森で合同会社イロモアを創業。2017年に株式会社イロモアの代表取締役に就任し、青森と仙台に合計5店舗の飲食店を開業する。
事業が軌道に乗り始めた矢先に新型コロナウイルスが襲来。難しい選択を迫られる中、「全店舗閉店、事業清算」という苦渋の決断を下す。その背景を綴ったブログは140万PV超えを記録した。
2020年8月、株式会社グラバーを設立。「廃業支援」「中小企業コンサルティング」など倒産の経験を生かした事業をスタート。

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