元カフェ経営者の福井(@aomorio)です。
Twitterで『貯金はないのですがカフェを開きたいです…』とDMをよくいただきます。

カフェを開くなら貯金するのが一番です!

お金ないけど開きたいです!

まぁ貯金と言っても、現実的に開業資金のすべてを貯金でまかなうことは難しいですよね。

実はすべてを貯金でまかなう必要はありません。

えっ!?
実際、ほとんどの飲食店開業者は銀行や助成金などをうまく活用して開業資金の準備をしています。
だからと言って何でもかんでも借りればいいというわけでもありません。
資金調達には必ずメリット・デメリットがあります。
それを理解せずに資金調達してしまうと後々取り返しのつかないことになることもあります。金利で経営が圧迫されて営業を続けられなくなるとか…。
自慢ではありませんが、、、
私自身、銀行、政策金融公庫、親族から借金、助成金、カードローンなど様々な資金調達を行ってきました。実際に大変な思いもしました。
そのような経験があったからこそ今の自分があるのですが、お金に関する失敗はできれば避けたいはずです。
そこで今回は、私の「うまくいった」「失敗した」経験を元に、飲食店開業における資金調達の方法とそのメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。
現役の飲食店経営者の資金調達にも役に立つ内容になっていると思いますよ!
開業資金とは?
大前提として『開業資金』のご説明をしておきます。
ざっくり言うと、『開業資金』とは飲食店を開業するための準備段階の費用から、店舗設備、開業後数ヶ月分のランニング資金まですべてを合わせたお金のことです。

上記のブログ記事でも開業資金についてはご紹介していますが、具体的な費用で言うと、
申請関係
- 住民票、印鑑証明
- 衛生責任者取得費
- 営業許可証取得費
物件取得費
- 敷金礼金
- 不動産仲介手数料
- 初回家賃
内装・外装費
- 解体費(居抜きの場合)
- 水道工事
- 電気工事
- 壁紙、床貼り
- 大工工事
- 塗装費
- 看板
- 照明
- 家具
機材費
- 厨房機器
- パソコン
- 電話
- プリンター
- オーディオ
- POSレジ
仕入れ
- 初回の食材仕入れ
- 消耗品、備品
- 食器類
- メニューブック
- ショップカード、チラシ
運転資金
- 開業までの生活費
- 数カ月分の家賃
- 数カ月分の水道光熱費
- 1〜2ヶ月分の従業員給料
その他
- 開業支援、コンサルティング費用
- デザイン費
ざっとこのようなものが『開業資金』として必要になります。
それでは開業資金の調達方法について見ていきましょう。
1.血縁・親族からの資金調達

親、兄弟、親戚から借りる(出資してもらう)というのは新規開業者にとって定番の資金調達方法です。
個人的にも一番オススメです。
自分のことをよく知っているので、ぶっちゃけ小難しい説明をしなくても開業への熱量だけで借してくれます。利子もゼロで、返済を遅らせることも可能です。
ただし血縁関係にあっても曖昧な状態でお金を借りると後々のトラブルになるのでテキトーに借りていいわけではありません。
- いつまで返すのか
- 返済方法は?
- 利子は? etc
一般的な借り入れする時と同じくらいきっかり決めておきましょう。口約束もNGです。書面で残しておくことをオススメします。
デメリットは数百万、数千万規模の大金を借りることが難しいということですね。まぁ親族からの借金ですべてまかなおうと思うことが間違いかもしれません。
親族から借りたお金は、実は銀行融資の際に自己資金として見てもらうことができるので、融資を受ける際に有利に働きます。つまり親族からお金を借りる目的は、銀行融資のためのステップにするためなのです。もちろん親族からの資金調達でまかなえるならそれはそれでOKです。
血縁・親族からの資金調達するメリット
- 借りやすい
- 金利ゼロにできる
- 返済が遅れても何とかなる
- 銀行融資の際に自己資金として見てもらえる
血縁・親族からの資金調達するデメリット
- 借りられる金額が低い
- トラブルになると関係を修復するのが大変
2.知人・友人からの資金調達

2番目に紹介していますが、、、知人・友人からの資金調達は私個人的にはあまりオススメできません。
よくあるのが『普段の知人・友人の関係』で貸し借りをしてしまって、後々お金を返せなくなった時に関係を修復できないほどになってしまうということ。
ただし、いわゆるパトロンのような、自分のお客さんが新店舗のためにお金を貸してくれたり、出資してくれたり、友人であっても本当にそのビジネスに共感して資金を提供してくれることもあります。
ビジネスとして貸し借り、出資ができる関係であれば知人・友人からの資金調達も良いでしょう。
現に私も知人から出資の話をいただくことがあります。今のところお断りしてますけどね。
知人・友人からの資金調達するメリット
- 借入の金利、返済期間が柔軟
- 銀行融資が難しい人の資金調達方法にできる
知人・友人からの資金調達するデメリット
- トラブルになると関係を修復するのが難しい
- 銀行融資の際に自己資金として見なされない場合がある
3.銀行・信用金庫の融資

銀行や信用金庫から借り入れて開業するというのは、親族からの資金調達と同じくらいポピュラーな方法です。
ただし親族から借りるよりもハードルが上がるため、新規開業者にとってはなかなか難しい資金調達の方法です。
理由はいくつかありますが、1つは新規開業者の実績や自己資金を見られる、もう1つはしっかりとした事業計画が必要ということです。
飲食未経験者よりも経験している人の方が信用度は高いですし、貯金がゼロよりは計画的に貯金している人の方がやはり信用度は高くなります。
何より事業計画がしっかりしているかは超重要なポイント。

本当に返済できるかどうかは事業計画書を見て判断するしかないんやで。

実は銀行の窓口に手ぶらで行ったら「計画書が無いと話できません」って言われて…笑

そう言えば、窓口にいきなり事業計画書持ってくる人が一番怖いって銀行関係者が言ってた!笑

新規開業ムリゲーだわ
ちなみに一般的には新規開業者は銀行よりも信用金庫の方が借りやすいと言われています。
銀行がダメだからって諦めずに信用金庫にトライしてみましょう!
銀行・信用金庫の融資のメリット
- 大きな金額で借り入れができる
- 銀行の取引業者を紹介してもらえる
銀行・信用金庫の融資のデメリット
- 初めての借り入れはハードルが高い
- 事業計画書が必要
- 金利が高い場合がある
4.日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/
融資を受けやすくて、さらに借入金利も低いという大きなメリットがあるのが政府系銀行の特徴です。

数ヶ月前に私も政策金融公庫から1,000万円ほど融資を受けました。
借りやすいからと言って簡単に貸してくれるわけではありません。あくまでも銀行に比べたら借りやすいというもの。
下記の『借入申込書等ダウンロード』ページをご覧になってみてください。
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
創業計画書、月別収支計画書など、しっかりとした事業計画が必要であることは銀行と何ら変わりありません。
また一般的な銀行と融資実行後に違うところがいくつかあります。
1つは実際に資金を何に使ったか調査しない、もう1つは返済中の業績は見ないというところです。良くも悪くも『貸したお金を返してくれたらそれでいい』という姿勢なのです。もし返済が滞った場合は問答無用で評価が下がりますのでご注意ください。一般的な銀行はその辺を多少甘く見てくれるところもあったりなかったり。
日本政策金融公庫の融資のメリット
- 大きな金額で借り入れができる
- 銀行に比べて借りやすい
- 銀行に比べて金利が低い
- 資金の用途は調査しない
日本政策金融公庫の融資のデメリット
- 銀行と同様に事業計画書が必要
- 返済中の業績は見ない=返済ができているかどうかしか見ていない
5.助成金・補助金で資金調達

国や自治体で出していてる助成金や補助金で開業資金をまかなう方法があります。
よくあるのが
- 商店街の空き店舗対策
- 雇用対策
- 生産向上・省エネ系
上記のようなものです。最近は軽減税率関係の助成金もありますね。
これから開くお店と助成金の内容が合致していればぜひ申請しましょう。対象となるものの合計の1/2〜1/3(上限あり)が助成金として支給されます。ただし助成金などは事後にお金をもらうものが大半です。

内装工事とか全部終わった後に助成されるので実際は開業資金にはできないんだ。

でも1/2〜1/3支給されるなら申請したいわね。

そうなんだけど、準備する書類が多くて申請がとても面倒で…。
申請が超面倒なことを除けばメリットしかありません(笑)
助成金・補助金で資金調達のメリット
- 条件が合致していて、申請さえすればもらえる
助成金・補助金で資金調達のデメリット
- 申請書類の準備が面倒
- 事後に助成されるものが多いので開業資金にすることは難しい
6.ビジネスローンで資金調達

ビジネスローンは短期の借り入れに有効で、申込みから融資実行まで短期間であることが特徴です。
しかし基本的にビジネスローンは個人事業主/法人共に2期分の決算書が必要です。そのため新規開業者は利用ができません。

ビジネスローンと同じサービスはあります。
プロミスなどの消費者金融です。

借りる時は十分に気をつけてくださいね!
消費者金融は無担保・無保証人でも借りやすく、申込みから本当に短期間で資金調達が可能で、即日借りることもできる場合があります。
しかし金利がめちゃくちゃ高い!
事業資金の調達は基本的に金利が低い銀行から借りるのが鉄則です。よほどの事情がない限りは借りないようにしましょう。
消費者金融:プロミス
ビジネスローンで資金調達のメリット
- 審査が簡単
- 借り入れまで短期間(即日も可)
ビジネスローンで資金調達のデメリット
- 金利がとにかく高い
7.カードローンで資金調達

少額かつ、短期間で返済できるのであればカードローンはオススメです。
今回は開業資金ですのであまりオススメはできませんが、どうしても借入の必要があるときは使ってもいいかもしれません。

私は開業資金が足りなくて、どうしようもなくてカードローンを使いました。金利で死にそうになりました。。
クレジットカードさえ持っていれば簡単に借りられるのが最大のメリットです。
ちなみに飲食店経営者にオススメなクレジットカードはセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカードです。
カードローンで資金調達のメリット
- 審査が簡単
- 借り入れまで短期間(即日も可)
カードローンで資金調達のデメリット
- 金利が高い
まとめ
7つの資金調達についてご紹介しました。
福井的にオススメの資金調達方法はこの4つです。
- 親族
- 日本政策金融公庫
- 地方銀行
- 助成金・補助金
やはり知人から借りるとトラブルになりやすいですし、ビジネスローンやカードローンは金利が高いので後々経営を圧迫する可能性が高まります。なので、できるだけ親族や銀行から資金調達ができるようにがんばってみてください。
何より貯金が大事です。コツコツ貯めることも忘れずに!!!
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